浜焼き鯖とは、脂ののった鯖を竹串に刺し、丸ごと焼き上げる福井県若狭地方の伝統料理です。
鯖は水揚げされると腐りやすいため、焼き上げすることで保存期間を長くできることから、若狭から京都へ運搬する際の保存方法として考え出されました。
若狭地方には数多くの鯖料理(へしこ、なれずし、鯖鮨など)が伝わっており、その中でもこの浜焼き鯖は代表的。
福井県では年間を通じて、この「浜焼き鯖」を食べていますが、田植えの後や、夏至から数えて11日目にあたる『半夏生(はんげしょう、または、はげっしょ)』の日には、必ず食べるのが習わしといわれています。
これは、その昔、大野藩(現大野市)の殿様が領民に対し、夏バテ防止のために栄養満点の鯖を食べることを推奨したことが始まりとされています。町のあちこちであがる、鯖を焼く香ばしい匂いと煙、また店先に並ぶ「浜焼き鯖」は、まさに鯖料理の本場、福井の夏の風物詩です。